●北海道ゴルフ連盟と北海道ゴルフ場支配人会が北海道にゴルフ場利用税の廃止を求める要望書を提出

 北海道ゴルフ連盟と北海道ゴルフ場支配人会は7月30日、高橋はるみ知事宛てにゴルフ場利用税の廃止を求める要望書を提出した。JGA(日本ゴルフ協会)などで組織されているゴルフ場利用税廃止運動推進本部が、各都道府県に廃止を求めた全国一斉行動の一環。北海道では高橋知事に代わって高田久知事室長が吉野次郎会長から要望書を受け取った。

 かつては娯楽施設利用税であったものが、1989年の消費税導入で廃止されたにもかかわらず、形を変えて残っているのがゴルフ場利用税で、2011年に制定されたスポーツ基本法の趣旨にも相反するものであるという主張をゴルフ業界は繰り返してきた。しかし、この税収が地方自治体の貴重な財源となっている現状もあり、廃止に至っていない。標準課税は一日当たり800円から1200円だが、北海道では400円から1200円が徴収されている。

 要旨は、2014年に世界アマチュアゴルフチーム選手権が日本で開催されることが決定しており、2016年リオデジャネイロ五輪ではゴルフは正式種目に復帰する。日本では金持ちのスポーツとして特別視されてきたゴルフだが、すでに競技人口は1,000万人を超えている。ゴルフに課税されているのは世界でも日本だけで、特定スポーツへの課税という部分と、二重課税という両面から廃止を求めるとしている。

 具体的には、昨年施行されたスポーツ基本法は、国や地方公共団体、スポーツ団体はスポーツを振興する責務があると規定、加えて国民がスポーツに参加できる環境を整備して促進する努力も促している。要望書には「スポーツ基本法に基づきスポーツ振興を阻害する要因は取り除かれるべき。ゴルフ場利用税は、世界でも例を見ないものでゴルフというスポーツの振興を阻害している」と主張している。

 さらに、2003年から18歳未満や70歳以上、身障者などが非課税になった。当時は、ゴルフ場利用者全体の5%がこうした非課税プレーヤーだったが、その後高齢化社会が進展してきたことによって2010年度では非課税プレーヤーは11.9%に拡大。一方で全体の入場者は減少傾向を続けていることから、要望書では「ゴルフ場利用税がゴルフというスポーツの参加を阻害する要因になっている」と指摘している。

 また、ゴルフ場開設時やその後の運営において、道路の取り付けや水道の提供など特別な行政サービスを受けており、そのコストに対して課税するという応益税の考え方がある。これに対しても、要望書では「ゴルフ場が他の競技施設や事業所と比較して特別に行政サービスを享受していることはない。逆に、ゴルフ場による雇用や物品販売など地元経済に貢献している」と反論している。
 
 吉野会長から要望書を受け取った高田知事室長は、「ゴルフ場利用税は、都道府県が徴収し市町村に70%を交付するもので北海道の場合、昨年度で18億円の税収があり、13億円が自治体に交付されている。ゴルフ場の多い北広島市には1億8000万円、恵庭市には7000万円というように地域にとって貴重な財源になっていることもご理解いただきたい」と述べた。
 
 この要望行動は、日本で初めての一斉行動で、全国のゴルフ連盟や支配人会など27団体が各都道府県に対して行ったもの。この中には公益財団法人 日本体育協会や、公益財団法人 日本オリンピック委員会も要望書に名前を連ねている。
東京では同日、自民党国会議員による「ゴルフ振興議員連盟」、ゴルフ界の振興を目指す超党派による「スポーツゴルフ確立のための議員連盟」の2つの総会で、川端達夫総務大臣に約122万人に及ぶ利用税廃止要望署名簿と要望書を提出した。


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